聖書ーテモテの手紙二4:1~8 創立記念日を覚えて
◇11月28日は中野教会創立102周年記念日だった。1983年発行の「中野教会60年史」などを参考に、週報に創立以来の牧師たちの名前と在職期間を記した。戦前は初代白戸八郎牧師から始まって、佐藤春吉牧師までで7人。戦後は佐藤牧師に続いて渡辺正牧師から私まで7人。102年間に合わせて14人の牧師たちがこの教会で神の言葉を語ってきた。
◇戦前戦中戦後と長く中野教会で牧会をされた故佐藤春吉先生のご次男寛さんのユリ子夫人が重篤であると最近伺った。佐藤牧師は1938(昭和13)年に着任以来中野教会をもり立てたが、時代は徐々に暗くなり、教会員の応召や戦死者も出て、やがて本土空襲が始まった。1945年の東京大空襲の直後に、佐藤牧師は敷地内に苦労して防空壕を掘り、教会の重要書類を保管した。この時の判断と努力による。敬意を表さずにおれない。
◇「戦後復興10周年記念礼拝」(1960年)を終えた9月の役員会で、佐藤牧師は辞意を表明した。70才になる直前だった。「60年史」は毎週の礼拝における説教題と聖書箇所を記録している。佐藤春吉牧師の在職中は激動の中で語った説教の23年間でもあった。
◇パウロは「テモテの手紙」を弟子に書き送った。「2:御言葉を宣べ伝えなさい。折が良くても悪くても励みなさい。とがめ、戒め、励ましなさい。忍耐強く、十分に教えるのです」。み言葉を宣べ伝えるとは、講壇で語ることだけではなく、忍耐強く信徒一人一人を励まし慰め、教育や保育の使命もある。中野教会では特に徳育幼稚園の使命もある。
◇「7:わたしは、戦いを立派に戦い抜き、決められた道を走りとおし」た結果、「8:今や、義の栄冠を受けるばかりです」と確信している。「冠」はドイツ語で「クランツ」。アドベントにはヒイラギの枝で作った輪にローソクを立てて飾るが、枝にはイバラを象徴するとげがあり、赤い実は頭にとげが刺さって垂れるキリストの流された血を象徴している。
◇「義の栄冠」はキリストの十字架と復活によって与えられた栄光の冠である。佐藤春吉先生ほか大勢の牧師たちは、厳しい時代の戦いの中でも「なぜ呻くのか。神を待ち望め」(詩編42:12)と人々に語り続けた。暗い夜にもやがて明るい朝が来る。そう信じて忍耐して待つのが信仰なのだ。
大村 栄